コンピュータロギング
コンテスト参加が目的の局のほとんどは、RTCL, ZlogWin, N1MM, CT-Win等のロギング
プログラムを使用している場合が非常に多くなっています。DXハンティングが中心の方も、
QSLやアワードの記録確認のために、多くの方がロギングプログラムを使用されるように
なっていると思います。しかし、通常のログ代わりのプログラムは、余りコンテストの事を
意識して作成されていない場合も多く、コンテスト中のデータ入力のしやすさ、
またコンテスト後のログ作成(Cabrillo形式)が簡単に出来ないものもあるようです。
未だコンテスト用ログソフトを使用されていない方には、RTCL, N1MMの使用をお勧めします。
Freeで配付されており、多くの国内+DXコンテストをサポートし、リグコントロールや
複数コンピュータのネットワーク接続、提出用のログも簡単に作成できます。
HamLog等の通常ログソフトとは、コンテストに於いてその使い勝手は格段の差が有ります。
電子メイル用ログ形式
テキスト(アスキー)ファイル
キャブリロ形式(Cabrillo Log Format)
これが企画された経緯については明確ではありませんが、ARRLがN5KO(HC8A)に
ARRL DXコンテストのログ処理を依頼した際、標準ログファイル形式として策定された
ようです。
1999-08-16にVer2.0が公開され、それ以後細かい修正が何回か加えられていますが、
これ以前の仕様については公表されなかった様です。
詳細な仕様は、
Cabrillo Standard Summary Sheet Proposal V2.0
にて公開されています。ここでは、必要最小限な情報を掲載しておきます。
キャブリロ形式を使用したログは、コンテスト委員会側で「重複交信、ポイントの計算、
マルチのチェック、得点の計算」をすることが前提になっています。そのため、重複交信
については、そのまま削除しないで記載しておいてください。重複交信によるペナルティ
や失格は行われません。
1.ログ様式
START-OF-LOG: 2.0
で始り、間にデータを含み
END-OF-LOG:
で終了します。
これらが上記通りで無いと、ログと判断されず CQWW DX CONTEST の場合には
以下の様なエラーメイルが送付されてきます。
From: CQ WW Robot
To: xxxx
Subject: RETURNED BY CQ WW: ###### CW
(This is an automatic reply)
Your submission to cw@cqww.com does not appear to be in the
required Cabrillo format. Old style electronic summary sheets and log
files no longer meet the file format requirements of the CQ WW contest
and can not be processed by the Contest Robot. Trying to deal with 50
different logging formats takes too much of the CQ WW Contest
Committee's time. You only have 1 log to submit correctly, we have
more than 7000 to process! The Cabrillo format provides a single
submission format, which makes processing your log easy and efficient
and leads to less error on our part in reporting the results.
色々書いてありますが、要は『送付された添付ファイルは、キャブリロ形式の
ログではありません。キャブリロ形式のログを再提出してください』という、
メッセージです。
これだけでは、何が悪いのか不明ですが、エラーメッセージの最後に、具体的
なエラー個所が表示されています。もし、エラーの指摘個所が無い場合には、
START-OF-LOG: か END-OF-LOG: の記述が間違っていると思われます。
どちらかの記述が無い、あるいは、":"
が記述されていない場合が多いようです。
2.サマリーデータ
参加コンテストの名称、部門、使用コールサイン等のデータを記入する様式が決まって
います。これは、以下のQSOデータの前に記述されていなくてはいけません。
ただ、標準は決まっているものの、各コンテストにより若干の拡張(変更)が行われて
いる場合もあります。CQ WW DXコンテストを例に取り、解説します。
※重要※ 必ず":"とそこに続くデータとの間に1つ以上のスペースを
入れてください。
このスペースが無いと、その行は正しく解釈されずエラーになります。
ARRL-SECTION: DX 無くても可
CALLSIGN: JE1CKA コンテストで使用したコールサイン(必須)
CATEGORY: SINGLE-OP ALL LOW ※注1
CLAIMED-SCORE: ※注2自己申告得点(無くても可)
CLUB: クラブ部門に参加する場合のみ(無くても可)
CONTEST: CQ-WW-SSB 参加コンテスト名(必須)
NAME: オペレータの氏名(必須)
ADDRESS: オペレータの住所、1行での記入をおすすめ(必須)
ADDRESS:
OPERATORS: ※注3
SOAPBOX: コメント(無くても可)
SOAPBOX:
注1.部門
オペレータの種類、バンド、パワーの3部構成となっています。
これらから、該当する1つを選択して記入してください。
CATEGORY: SINGLE-OP ALL HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 160M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 80M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 40M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 20M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 15M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP 10M HIGH
CATEGORY: SINGLE-OP ALL LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 160M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 80M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 40M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 20M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 15M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP 10M LOW
CATEGORY: SINGLE-OP ALL QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 160M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 80M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 40M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 20M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 15M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP 10M QRP
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED ALL
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 160M
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 80M
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 40M
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 20M
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 15M
CATEGORY: SINGLE-OP-ASSISTED 10M
CATEGORY: MULTI-ONE
CATEGORY: MULTI-TWO
CATEGORY: MULTI-MULTI
CATEGORY: CHECKLOG
注2.自己申告得点
ログソフトを使用していれば得点は分かりますが、不明な場合は空白のままで構いません。
キャブリロフォーマットの場合、提出されたログは同一条件で全て再計算されますので、
これはあくまで目安です。
注3.OPERATORS:
マルチオペで参加の場合、オペレータのコールサインを全て記入してください。
また、ゲストオペレータの場合には、ここに自分のコールサインを記入してください、
但し使用コールサインとオペレータのコールサインが同じ場合には空白で構いません
3.QSOデータ
Cabrillo変換ソフト(cbr-conv)
最新版のダウンロードはこちら[cbr-conv135.zip 2003/03/14]
2003/03/14: 1.35 WPX対応の修正、キャブリロ形式の強化
2003/02/07: 1.34 2ログ形式(ncdubmrnrn, dubcmrnrn)追加
2003/02/04: 1.33 adif変換部分改善
2003/02/03: 1.32 dubmcrnrn2,ad1c-adif, HLTST5.8.0 added
2002/12/25: v1.31 ZlogWinの周波数表示の取込対応
2002/12/12: v1.30 CATEGORY 判定ルーチンを関数に変更
2002/12/09: v1.29 CQWW DX contestのCATEGORY:に対応した出力の生成、ログフォーマット2種追加
2002/11/15: v1.24 CATEGORY:の判定改良
2002/10/31: v1.22 CQWW サマリー部分追加
2002/04/22: v1.17
2002/01/21: v1.10 3タイプのログ追加、ZlogWinの不具合修正、コンテストによる出力形式修正
2001/10/29: v1.03 (手入力)hand log変換の不具合を修正
2001/10/29: v1.02.11 CQWPX/AP-SPRINTを指定するとシリアルナンバーを出力する様変更
前述したように、JIDXコンテストでも電子ログのプログラム処理に取り組み始めました。
まず、電子メイルで届いたログを、ファイルとして保存し、それらの各種フォーマットのログ
をキャブリロ形式に変換後、得点計算をするようにしています。
以下に公開する変換スクリプトは、上記のJIDXのログ処理に使用しているもの(Linux上のgawk
スクリプト)を、他のコンテストにも対応させたものです。
gawkは、入力データを記述したスクリプトに従って処理し出力するもので、linuxに限らず
MS-DOS上でも動作するgawkがあり、これと組み合わせて使用すれば、WindowsのDOS窓で
同様の変換処理が可能です。
cbr-convの使用法および改訂履歴
CBR-CONV.BAT 190 05-13-01 実行用バッチファイル
CBR-CONV.TXT 3,507 03-29-01 cbr-convの使用法
AWK-CBR 72,379 03-30-01 スクリプト本体
README.1ST 2,069 03-29-01 gawk.exe説明
README.SJ 14,738 03-29-01 gawk.exe説明
GAWK.EXE 196,608 01-29-95 gawk本体
gawk自体の説明は、
ここが充実しています。
変換するログファイルを、自局のコールサイン+.log(例 je1cka.log)として、
全て同じディレクトリに置いて下さい。
Windows上でテキストファイルに出力すると、指定したファイル名の後ろに更に".TXT"が
付加されてしまいます。
(例 ファイル名に JE1CKA.LOGを指定して、テキストファイル出力をすると、ファイル名
が JE1CKA.LOG.TXT になります。このままで変換しようとすると、FILE NOT FOUND という
様なエラーが出ます。
必ずファイル名を確認して下さい。
DOSプロンプトでDOS窓を開き、gawk.exeのディレクトリに移動して
cbr-conv ログファイル名(.logは不要)
を実行して下さい。
je1cka.logがje1cka.cbrというファイル名でキャブリロフォーマットに変換されます。
変換されなかったデータは error.cbrに書き出されます。
*.logと*.cbrを比較して、全てのデータが正常に変換されているかどうか確認して下さい。
awk-cbrは、gawkの書式に基づいて数十種類のログ形式を「正規表現」で規定して、
データを読取り、キャブリロ形式で書き出す単純なものです。
「正規表現」が分かれば、テキストファイルですので、エディターで自由に追加・
修正が可能です。
手書きログからの電子ログの作成
コンテスト中は紙ログに記入し、コンテスト終了後に交信データを入力し、"cbr-conv"を使用してキャブリロフォーマットを作成する方法について述べます。
Windows標準のテキストエディター(wordpad.exe)で充分です。ワードや一太朗等のワードプロセッサは却って余分な事をするので、余りお勧めできません。
データの入力に際しては、必ず「日本語入力」を「オフ」に設定して、ASCIIのみにて入力を行って下さい。日本語入力のまま、データを入力すると「スペース」を入れたつもりが、漢字(=2バイトコード)の空白を入れてしまい、エラーになることが極めて良くあります。
- 1行の各データの区切りは、タブあるいはスペースで行って下さい。
- スペースは1つ以上入っていれば良く、桁を揃える必要は有りません。
- ログデータは、ヘッダー部分とデータ部分から構成されます。
- ヘッダーには自局のコールサイン、バンド、モード、送信ナンバーの共通事項を設定します。
これらのヘッダー情報は、データの間に記入することも出来ます。
ヘッダー
LOGGER: HAND 手書きログ用のデータの表示(必ず最初に記載)
CALLSIGN: 自局のコールサイン
MODE: CWあるいはPHのいづれか
CONTEST: CQ-WW, JIDX, CQ-WPX, ARRL-DX 等を指定
CATEGORY: SINGLE-OP ALL HIGH 等の部門を指定
SENTNR: 送信ナンバー(CQ-WPXが指定された場合には、シリアルナンバーが付けられます)
BAND: 1.9/3.5/7/14/21/28のいずれか
YYMM: 西暦年4桁-月2桁-
DD: 日付2桁
各行のデータは、
UTC CALLSIGN RCV-NR
例 je1cka.log
LOGGER: HAND
CONTEST: CQ-WW-CW
CALLSIGN: JE1CKA
CATEGORY: SINGLE-OP ALL LOW
MODE: CW
SENTNR: 25
BAND: 21
YYMM: 2001-11-
DD: 24
0034 KH0AM 27
0122 W1AL 05
0233 9M6NA 28
BAND: 28
DD: 25
1134 9M6NA 28
これを CBR-CONV JE1CKA として実行すると以下の様に変換されたJE1CKA.CBRが出力されます。
これを wordpad.exe 等で、未記入の部分に情報を追加して保存して終了です。
START-OF-LOG: 2.0
CONTEST: CQ-WW-CW
CALLSIGN: JE1CKA
CATEGORY: SINGLE-OP ALL LOW
CLAIMED-SCORE:
NAME:
ADDRESS:
QSO: 21000 CW 2001-11-24 0034 JE1CKA 599 25 KH0AM 599 27 0
QSO: 21000 CW 2001-11-24 0122 JE1CKA 599 25 W1AL 599 05 0
QSO: 21000 CW 2001-11-24 0233 JE1CKA 599 25 9M6NA 599 28 0
QSO: 28000 CW 2001-11-25 1134 JE1CKA 599 25 9M6NA 599 28 0
END-OF-LOG:
Logger=hand
送付先
電子ログの問題点
JIDXで受け取った電子メイルログの中には、以下の様な問題の有るログが含まれていました。
- 必要事項(日時,周波数,相手局,送信/受信ナンバー)が各行に記載されていない
これらは、古いバージョンのプログラムを使用していていて、バージョンアップすることで
改善できる場合が多いようです。
- データを2バイトアルファベットを使用されている局が散見されます。
データ入力の際には必ず日本語入力をOFFにして、ASCII(半角の英数字)
にて行って下さい。
- 添付ファイル名を、「JIDX2001HFCW.LOG」などとしている局がいます。
このようなファイル名はユニークではなく、他の局も同じファイル名にする可能性が有り、
最悪他の局のログで上書きされてしまう可能性がありますので、
「JE1CKA.LOG」の様にコールサインを使用して下さい。
いずれにしろ一度経験すれば、通常のメイルを送るのと変わり有りませんから、気軽にログを提出
してみて下さい。また、電子ログに関する疑問がございましたら、下記へお問合せ下さい。
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